西土佐は高知県西部、四万十川中流域の山間地域です。
深い山あいを縫うように流れる谷水はやがて、山の斜面に作られた段々の田んぼに引き込まれます。
ここでつくる米を地元では「入り水の米」といいます。
「入り水の米はうまい」と昔からいわれるとおり、米の味は「水」でつくられます。
水のあるところに人は住む。水のあるところに米は育つ。
水が生まれる山間地域の米つくりは日本の心と風景をつないできました。
しかし今、人の暮らしは変わりました。暮らし方が変わると風景が変わります。
山間の美しい棚田が植林の山に消えています。
わたしたちは、この風景をなんとか次の世代につなぎたい。
その思いを込めて、水と土とやりとりしながら、昔に学び、あたらめて米つくりをはじめます。
四万十中流域は水が生まれるところです。米づくりをつなぎながら四万十の心と風景を残していたいのです。
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